LOCAL POETS (DVD) 全国主要CDショップで 2006年11月15日発売
価格:¥2.200(tax in)
仕様:DVD/NTSC/STREO/リージョンフリー 約70分収録
品番:FRAGMENT-602
レーベル:デフラグメント
流通:BRIDGE
inc.
解説:遠藤 優(macaroni
records)
現在住んでいる横浜から地方に行くといつも感じることがあって、それは日本の各地方都市における東京画一化が年々酷くなってきているということ。別段今に始まったことじゃないけど、昔からの地元に密着した個人商店や専門店というのは加速度的に衰退してきてるし、その跡地からはコンビニやチェーン店、ディスカウントショップがまるで雑草のごとく根強く並ぶ、そんな既視的な風景ばかりを目にする。はっきしもうこれは日本列島金太郎飴状態と言ってもいいような状況。実際に横浜市と僕の地元である岡山市を比べてみても、規模の違いはあれど意識的に「あぁ、ここは岡山なんよね」とでも思わないと、街の外観はさほど変わらない。やっぱ知らない場所に行ったりするのであれば、その場にしかない独特のローカリティなとこを期待してしまうし、いや、それを求めてこそが旅情だと思うんだ。なんかね、各都市それぞれ名所やら特産物やらを過剰にアピールしたりなんかしてても、それってちょっと無理矢理っていうか、人工的っていうかなんかすんごく胡散臭い感じがするし、もっとね、その街々にある独特の匂いっていうか、雰囲気っていうか、ローカリティ溢れる人間臭さってのが見たいよね。そういう場所がホンマに少なくなってきている気がするし、だからその反発として、そういった「ローカル」な部分を躍起になって探し求めたりしている気もする。当然、新鮮なものに出会った時って、すんごく刺激的だし、ワクワクするじゃない。で、僕の場合、macaroni
recordsという音楽レーベルを細々とながら主宰しているだけあって、どうしてもやっぱ気になっちゃうのが音楽なんだよね。なんで、そんな「ローカル」的な音楽を聴いたり観たりなんかしちゃうといつも興奮して魂が震え上がってしまうんだ。そんな音楽が集いまくっている場所ってのがあって。その場所ってのが阪神タイガースやお笑いなどで有名な「大阪」であって、でもそのへんの本屋で売っているガイドブックとかには載ってない「“裏”大阪」とでも呼べるような場所なんだけどね・・・。
タクシーの車窓越しに燦々と輝くネオンに妖艶なピンク色の看板が並ぶ歓楽街が映り、その一角に潜むとある薄暗い地下のクラブハウスへと向かうシーンで始まる本作『LOCAL
POETS』。関西でも間違いなく魂が早いレーベル<デフラグメント>を主宰する宮城健人と乾哲也、小杉聡の3人(「TooMuch
Rodriguez」というペンネームになっている)の制作による、2003年から2006年の間に大阪のごく一部で行われたライヴ記録の断片集である。「変にこだわりまくったライブDVDが多すぎる。アーティストの実像以上に見せようと作ってるというか、丁寧にやりすぎてるよ。80年代にリリースされてた“UK/DK”や“TARGET
VIDEO”などのパンクのビデオなんか映像や音がメチャクチャやけどなんか伝わるよね。好きなバンド目当てで見たけど、別のバンドの面白さを発見したりなんかすることもあるし。」と宮城氏が語るように、マスターテープの状態の良し悪しやライン録音やら全く関係ない、ただただ、暴力的なままにカット&ペーストされ、テレビのチャンネルをパッ、パッと切り替えるように雑なドキュメンタリー映像が続く。本作にも登場している尾道在住ミュージシャン、枡本航太がフジテレビの音楽番組『FACTORY』の収録本番の際に叫んだセリフを借りるならば“トラブったぜ!これがテレビには映らない本当の音楽だろ!”ってな感じ。それはまさにアクシデントがつきものなライヴ本来の持ち味をフルに生かしたデフラグメントによるフラグメントな映像、最大公約数的に最適化(デフラグメント)された断片集としてまとまっている。
そして舞台となるのはキャバレーやサウナ、レコード屋、スナック、ライヴハウスが一つの場所に混在した昭和ヴィンテージホテル=味園ビルや、大型遊具や娯楽施設と商業施設を合体させた「都市型立体遊園地」として開業したものの現在は建物の90%以上が空室、今や廃墟と化しつつある新世界フェスティバルゲートの8FにあるBRIDGE、関西アンダーグラウンドの聖地とも言えよう難波ベアーズなど知る人ぞ知る場所で行われているライヴイベントに潜入し、カメラは回り続ける。画面に登場してくるのも1★狂、SOULFIRE、Ove-NaXx、KA4U、DODDODO、BOGULTA、Suspiria、あふりらんぽ、オシリペンペンズ、赤犬、ミドリ、speedometer.、イルリメ、Art
Of Vibesなどといった個々のアクが非常に強く、且つ途轍もない瞬発力を持ち合わせているバンドやミュージシャンばかり。「自分の身近に素晴らしいバイブレーションもったバンドが多いのにも関わらず、これを地元だけで楽しんでるのはもったいない。」と宮城氏が言うように、実際に関西のバンドやミュージシャンは続々とオモロイ連中が出てきてるが活動が流動的なところが多く、見過ごされがちではある。それらをうまくまとめ上げた本作はものすごく貴重な作品だと思うし、こんなんをまとめようとした宮城氏はホントにめちゃめちゃイカれている!(良い意味で!)。
儲け第一主義なレコード会社らがタイアップなり雑誌広告なりとバリバリ金かけて宣伝しまくってって、まぁ、以前よりはまだマシになってきたかもしれんけど、でもまだまだそういった宣伝効果ってのはユーザーへの影響力もあるってな現状、売れ線みたいなまさに冒頭で挙げたように画一化されちゃってる金太郎飴な音楽が横行してる世の中。でも本作に登場しているミュージシャンらは「自分自身の活動、すなわちそこがメインストリーム」みたいな、個々それぞれのDIYなポリシーってのが一つのシーンとなって浮かび上がってくる。これがすなわち関西人の気質(?)なのかどうかは分からないけど、少なくとも本作に登場してくるミュージシャンはそれぞれがホンマ好き勝手やってて、みんな勝手に繋がったり離れたりもしながら、お互いを認め合う環境を作り出している。それが僕にとっての「ローカル=独自」ってことに繋がるし、ずっと追い求めている部分なのだ。もちろん、冒頭のテロップに流れてくる「これはひとつの視点であって、全てではない」とあるように関西のごく一部のシーンを切り取り出しただけであって、ココが全てじゃない。関西には更にアンダーグランド
な流れやブルースやらジャズ、ハードロック/メタル、ナイトクラブのシーン、その他にもいろいろなローカルが存在しているし、当然のことながら、それは関西だけではなく、札幌、山形、名古屋、岡山、山口、福岡、大分、沖縄、その他日本全国にある地方都市、はたまた、ロンドンやらニューヨークやらモスクワやらバルセロナやらロサンゼルスやらソウルやら世界各国の都市にも本作と同様、それぞれの「LOCAL
POETS」っていうのが存在している。例えば・・・
っつーことで、ここからの続きは本作を手にしてくれたみんなに作っていってもらいたい。冒頭テロップのもう一文「映像を見て興味があれば実際に彼らのGIGに遊びに行ってほしい」にあるように。そう、今日まで僕がやってきたことはまさにこの一文に集約されている訳であって、本作を観た後に起こしてほしいアクションそのままなのだから。本作がボケたんやから、あとは君のツッコミをよろしく!ってな感じのリアクションが欲しい。 こんな拙文に付き合ってくれてどうもありがとう。だから、こんな文はさっさとホカしてしまって、取りあえずバスなり電車なり新幹線なりなの地方行きチケットを今すぐに予約しよう!で、是非ともあなた自身のローカルを追求していってほしいと思う。っつーことで、僕も同じく文章書くのここでホカします。まだ見ぬ音楽の魂早い街に行かなきゃならんので!
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